日程

Journal Club

Progress report

(8:30〜9:30)

(9:30〜12:30)

2011年(平成23年)

Group-1

Group-2
3月25日(金)
  • 担当者:真崎 雄一
  • 論文:Bone Marrow-Derived Myofibroblasts Contribute to the Mesenchymal Stem Cell Niche and Promote Tumor Growth.
    Quante, M. et al.
    Cancer Cell, 19: 257-272, 2011(Feb.)
  • 要約:α-平滑筋アクチンを発現するcarcinoma-associated fibroblast(CAF)は、癌の進行に寄与しているものの、その正確な起源や役割は不明である。今回、著者らは、炎症による胃癌の発症マウスを用いて、CAFの少なくとも20%は、骨髄を起源とする間葉系幹細胞に由来することを示した。また、α-平滑筋アクチン陽性の筋繊維芽細胞は、通常、骨髄に存在するニッチ細胞であり、癌の進行に伴い著しく増加することが明らかとなった。異形成の胃に集まってくる間葉系幹細胞由来のCAFには、IL-6、Wnt5a、BMP4の発現やDNA の低メチル化が見られ、また、間葉系幹細胞由来のCAFは、腫瘍の成長を促した。さらに、CAFが間葉系幹細胞から生じる際、あるいは、癌の領域へ向かう際にはTGF-βやSDF-1αが関わっていることが明らかとなった。このように発癌には、癌の進行を持続するようなニッチを作るため、骨髄のニッチ細胞の増殖や癌への再配置が関与している。
  • 冨田
  • 羽賀
  • 頼仲
  • 池田
  • 高松
3月18日(金)
  • 担当者:池田 徳典
  • 論文:IL-9 promotes Th17 cell migration into the central nervous system via CC chemokine ligand-20 produced by astrocytes.
    Yan Zhou, et al.
    The Journal of Immunology, 23 Feb, 2011
  • 要約:最近、新しいTh細胞のサブセットとして、IL-9を産生するTh9細胞が報告されている。このTh9細胞の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に与える影響についてははっきりとしておらず、IL-9が中枢神経系(CNS)に与える影響についても不明である。本研究で、著者らはIL-9の産生が、in vitroでC57BL/6マウスのナイーブCD4+T細胞から分化誘導したTh9細胞だけではなく、同じくin vitro で分化誘導したTh2細胞、誘導性Treg(iTreg)細胞、Th17細胞においても認められたことを報告している。一方で、このIL-9の産生はIL-4KOマウス由来のナイーブCD4+T細胞から分化誘導した場合には、著しく減少した。またIL-9の受容体であるIL-9RαとIL-2Rγの複合体は、CNSではastrocytesのみに発現が認められ,astrocytesはケモカインであるCCL-20をIL-9の濃度依存的に産生した。このCCL-20は、Th17細胞に発現するCCR6のリガンドであるが、in vitroでのtransmigration実験で、IL-9で刺激をしたastrocytesはTh17細胞の遊走を促し、抗CCL-20の存在下でその遊走は阻害された。さらにin vivo にて、抗IL-9抗体の投与によりEAEの臨床症状は改善し、CNS内に浸潤したTh17細胞の減少や、astrocytesにおけるCCL-20の発現の低下が確認された。以上のことから、IL-9はastrocytesに対して、CCL-20の産生を促すことで、CNS内へのTh17細胞の遊走を誘導する可能性が考えられた。
  • 入江
  • 遠藤
  • 矢津田
  • 真崎
  • 山田
  • 木庭
3月11日(金)
  • 担当者:高松 孝太郎
  • 論文:Active Immunization with Amyloid-β 1-42 Impairs Memory Performance through TLR2/4-Dependent Activation of the Innate Immune system.
    Patrick Vollmar, et al.
    The Journal of Immunology 185: 6338-6347, 2010(Nov)
  • 要約:アミロイドβ(Aβ)ペプチド1-42の能動免疫により、アルツハイマー病患者およびAmyloid precursor protein (APP)トランスジェニックマウスにおいて、アミロイド斑の蓄積が抑制される。一方で、この治療法は重篤で生命に関わる髄膜脳炎を起こす可能性がある。またAβ1-42によって引き起こされるミクログリアの活性化には、TLR2/4の関与が示唆されている。Aβに関する免疫学的検討は、APPトランスジェニックマウスによるものがほとんどであり、ノントランスジェニックマウスでの検討は少ない。本論文では、C57BL/6マウスにおいて、Aβ1-42/CFAが及ぼす免疫学的な影響について検討している。Myelin oligodendrocyte protein (MOG)35-55/CFA、あるいはCFAのみの投与群と比較して、Aβ1-42/CFA投与群ではopen field における探索活動性、順化、空間学習能力が障害された。さらに中枢神経系に播種性、びまん性の細胞浸潤が認められた。これらの細胞は、CD11b+CD14+CD45high細胞であり、blood-borne monocyte/macrophageが起源であると考えられた。さらにAβ1-42/CFA免疫により、中枢神経系のみならず全身のマクロファージが活性化されていた。TLR2/4ノックアウトマウスでは、Aβ1-42/CFAによる精神運動障害、炎症性サイトカイン産生が抑制されていた。以上の結果は、Aβ1-42/CFAによるTLR2/4を介した自然免疫の活性化が、認知障害を増悪させる危険性を示唆するものであった。
  • 千住
  • 池田
  • 高松
  • 冨田
  • 羽賀
3月4日(金)
  • 担当者:山田 裕希
  • 論文:Molecular Mechanism of MART-1+/A*0201+Human Melanoma Resistance to Specific CTL-Killing Despite Functional Tumor-CTL Interaction.
    Ali R. Jazirehi, et al.
    Cancer Research 71: 1406-1417, 2011(Feb)
  • 要約:転移性メラノーマ患者では、永続的な治療効果を得るのは困難であるのが現状である。Ex vivoでメラノーマ抗原MART-127-35/HLA-A*0201[F5CTLに認識される]に高親和性のT細胞受容体(TCRα/β)を発現させたリンパ球を用いた細胞移入療法(ACT)は、一部の患者には効果があることがわかってきた。しかしながら、理由はよく分からないが、その他の大部分の患者ではそもそも効果がないか、あるいは再発をきたしてしまう。耐性を獲得する原理と、耐性を解除する方法を調べるために、著者らは、F5CTLに比較的感受性のあるメラノーマ細胞株とF5CTLを繰り返し共培養することにより、F5CTL耐性のヒトメラノーマクローン(Rクローン)を樹立した。これらのクローンの細胞表面のMART-127-35/HLA-A*0201の発現は変化しておらず、F5CTLに認識され、元の細胞株と同様の相互作用がみられた。にもかかわらず、RクローンはF5CTLによる細胞傷害に耐性であった。Rクローンでは、NF-kB経路の活性化、抗アポトーシス遺伝子であるB cell lymphoma protein 2(Bcl-2)、Bcl-2関連遺伝子(long alternatively speliced variant of Bcl-x gene:Bcl-xL)、myeloid cell differentiation 1(Mcl-1)の高発現を認めた。薬剤により、NF-kB経路、Bcl-2ファミリー、プロテアソームを阻害すると(プロテアソーム阻害剤によりNF-kB活性が低下し、抗アポトーシス遺伝子が減少)、F5CTL-Killingに対する感受性を増加させることができた。siRNAによる遺伝子のサイレンシングにより、Rクローンの耐性が元に戻ったことから、抗アポトーシス因子がCTLから防御する役割を果たしていたことが確認された。以上より、長期の免疫療法はMHCp複合体の発現が保たれているにも関わらず、抗アポトーシスシグナル経路が活性化されることが原因で、高いアビディティを持つメラノーマ特異的なCTLにも反応しない耐性癌細胞を選択させていくことになると推察される。CTLに耐性であっても、抗アポトーシス経路を抑制する薬剤を併用することで、免疫療法に対する感受性を復活させることも可能であると考えられた。
  • 山田
  • 塚本
  • 木庭
  • 遠藤
  • 矢津田
2月25日(金)
  • 担当者:遠藤 祐子
  • 論文:An Fcγ Receptor-Dependent Mechanism Drives Antibody-Mediated Target-Receptor signaling in cancer cells
    Nicholas S. Wilson, et al.
    Cancer Cell 19: 101-113, 2011
  • 要約:DR5に対するアゴニスト抗体は、癌細胞にアポトーシスを誘導するが、これらのin vivoでの作用メカニズムは完全には解明されていない。今回、著者らは癌細胞において抗体を介した FcγRからのシグナル伝達のメカニズムを解明した。DR5アゴニスト抗体であるdrozitumabと白血球FcγRsとの相互作用によって、DR5を介した腫瘍細胞のアポトーシスが促進された。抗CD20抗体であるretuximabは、抗腫瘍効果を示すために活性型FcγRsを必要とするが、drozitumabは活性型および抑制型FcγRsのどちらを介しても腫瘍細胞にアポトーシスを誘導できた。DR4アゴニスト抗体やCD40アゴニスト抗体においても、活性型または抑制型FcγRsのどちらかが存在すれば、下流のシグナル伝達が促進されたことから、TNFRファミリーに対する抗体を介した共通のFcγR依存性シグナル伝達のメカニズムが存在することが示された。今回解明されたFcγR依存性シグナル伝達の活性化は、TNFRファミリーに対する抗体にとどまらず、様々なアゴニスト抗体を用いた抗体療法に役立つ可能性がある。
  • 冨田
  • 羽賀
  • 頼仲
  • 池田
  • 高松
2月18日(金)
  • 担当者:羽賀 栄理子
  • 論文:Synergistic Activation of Macrophages via CD40 and TLR9 Results in T Cell Independent antitumor Effects
    The Journal of Immunology 176: 309-318, 2006
  • 要約:本研究で、著者らは、CD40およびTLR9を介したマクロファージの活性化により、T細胞に依存しない抗腫瘍効果が認められることを示した。まず初めに、抗CD40アゴニスト抗体を投与することにより、マクロファージにおけるTLR9の発現が増強することが示された。また、TLR9は、CpGの主要レセプターであるが、抗CD40抗体により活性化されたマクロファージ(anti-CD40MP)は、in vivoにおいて、CpGを加えることでマウスメラノーマ細胞であるB16細胞を殺傷した。anti-CD40MPは、NOを産生するが、CpGを加えることによりNO産生が増加し、さらに、IFNγおよびTNFα、IL12を産生した。T細胞およびNK細胞欠損マウスを用いた実験から、anti-CD40とCpGによるマクロファージの抗腫瘍活性には、T細胞およびNK細胞は不要であることが判明した。in vivo において、Anti-CD40とCpGは、免疫応答マウスおよび免疫不全マウスで腫瘍増殖を遅延させ、生存日数を延長した。Silica投与による選択的マクロファージ不活化により、Anti-CD40とCpGによる抗腫瘍効果が消失したことから、抗腫瘍効果にはマクロファージが必須であることが示唆された。マクロファージは、他の免疫細胞よりも細胞毒性薬に抵抗性であるため、細胞毒性を有する化学療法後のアジュバント療法の候補になりうるかもしれない。
  • 入江
  • 遠藤
  • 矢津田
  • 真崎
  • 山田
  • 木庭
2月4日(金)
  • 担当者:矢津田 旬二
  • 論文:Bystander killing of cancer requires the cooperation of CD4+ and CD8+ T cells during the effector phase
    The Journal of Experimental Medicine 207: 2469-2477, 2010
  • 要約:本論文にて直接抗原提示をするためのMHC分子を持たない腫瘍間質を標的とする抗原特異的 T cell にて高悪性度癌細胞を排除できることが示された。間質細胞は免疫機構から逃れるための変異を起こさないが、腫瘍抗原を提示することが可能で、それらを T cell が標的にして癌細胞を bystander killing する。免疫されていない、免疫能が正常な宿主を用いて癌細胞を bystander killing するには、CD4+ T cell とCD8+ T cell の共同作業が induction phase のみならず effector phase でも必要であることが示された。CD4+ T cell と CD8+ T cell が間質細胞を直接殺すことで結果として癌細胞を殺している可能性と、T cell と間質細胞の相互作用により IFN-γ と TNF が放出され、間質細胞 and/or 癌細胞に直接あるいは間接に作用している可能性もある。今回は腫瘍特定抗原を発現した癌細胞にて示したが、自己抗原を発現している癌細胞にも応用可能かもしれない。
  • 千住
  • 池田
  • 高松
  • 冨田
  • 羽賀
1月28日(金)
  • 担当者:頼仲 玉珍
  • 論文:
  • 要約:
  • 山田
  • 塚本
  • 木庭
  • 遠藤
  • 矢津田
1月21日(金)
  • 休会
  • 冨田
  • 羽賀
  • 頼仲
  • 池田
  • 高松
1月14日(金)
  • 担当者:冨田 雄介
  • 論文:MHC-restricted fractricide of human lymphocytes expressing surviving-specific transgenic T cell receptors
    The Journal of Clinical Investigation 120: 3869-3877, 2010
  • 要約:アポトーシス抑制蛋白であるsurvivinは多くの腫瘍で高発現しており、様々な免疫療法のターゲット分子として挙げられている。survivin特異的TCR(Tg-TCRs)を発現するT細胞を用いた養子免疫療法のターゲットとしてsurvivinが有用か否かについて検討するため、高い親和性を持つHLA-A2-アロ拘束性のsurvivin特異的T細胞を分離し用いた。Tg-TCRsを発現するリンパ球はA2+survivin+の腫瘍細胞を特異的に認識するT細胞由来のものを用いた。注目すべきことに、HLA-A2陽性のTg-TCRsを発現するリンパ球はやがてほとんどがアポトーシスを起こしたが、HLA-A陰性のものはそうならなかった。この現象は、HLA-A2拘束性の「fractricide:同胞殺し」によるものであった。すなわち、HLA-A2陽性のsurvivin特異的Tg-TCRを発現させたリンパ球自体がsurvivinを発現していることに起因していた。したがって、臨床応用を考えた場合はsurvivin特異的Tg-TCR遺伝子療法はHLA-A2ミスマッチの幹細胞移植の場合に限られてしまう。さらに、survivin特異的Tg-TCRを発現したリンパ球は、HLA-A2陽性患者由来の様々な腫瘍関連抗原特異的T細胞クローンに対しても細胞傷害活性を示したが、HLA-A2陰性由来のものに対しては細胞傷害活性を示さなかった。著者らの結果は、活性化リンパ球にも発現する腫瘍抗原を用いた癌ワクチン療法の開発に疑問を呈するものである。すなわち、高いavidityを有するT細胞がワクチン後にリンパ節内で増殖する場合、もしくは腫瘍局所に浸潤してきた場合に、自己のHLA拘束性の「fractricide:同胞殺し」が生じ増殖が制限されたり、予想外に近くのT細胞を傷害してしまう可能性がある。
  • 入江
  • 遠藤
  • 矢津田
  • 真崎
  • 山田
  • 木庭
1月7日(金)
  • 担当者:入江 厚
  • 論文: A reductionist cell-free major histocompatibility complex class II antigen processing system identifies immunodiminant epitopes
    Nature Medicine 16: 1333-1340, 2010
  • 要約:免疫においてドミナントとは、複雑な抗原に由来する少数の選ばれたエピトープに対して、限定的にT細胞応答誘導されることである。CD4陽性T細胞エピトープを解明するために現在用いられている戦略は十分な成果を上げていない。著者らは、ヘルパーT細胞エピトープが選択される仕組みを解明するため、既知のタンパク質(ヒト白血球抗原-DR1[HLA-DR1]、HLA-DMおよびカテプシン)を成分とする、無細胞系の抗原プロセシングシステムを確立した。この単純化システムを用いて、2つの生理的なモデル抗原、インフルエンザウイルス(A/Texas/1/77)由来血球凝集素-1(HA1)およびII型コラーゲン(C II)のドミナントエピトープを同定することができた。このシステムを、熱帯熱マラリアの組換え肝臓ステージ抗原(LSA-NRC)や、H5N1インフルエンザ(鳥インフルエンザ)ウイルスのHA1に由来する新規エピトープの同定に応用したところ、各タンパク質由来の単一エピトープが同定された。これらのエピトープは、H5N1を免疫したHLA-DR1トランスジェニックマウスやLSA-NRCを接種したHLA-DR1陽性ヒト被験者から採取したCD4陽性T細胞に対する活性化能から、ドミナントエピトープであることが実証された。したがってこのシステムは、生理的な抗原由来ヘルパーT細胞エピトープを同定するための新しい手段となる。
  • 千住
  • 高松
  • 池田
  • 塚本
  • 冨田
  • 羽賀