日程

Journal Club

Progress report

(8:30〜9:30)

(9:30〜12:30)

2009年(平成21年)

Group-1

Group-2
9月18日(金)
  • 担当者:頼仲 玉珍
  • 論文:
  • 要約:
  • 冨田
  • 林田実
  • 羽賀
  • 池田
  • 高松
9月11日(金)
  • 担当者:粟井 博丈
  • 論文:
  • 要約:
  • 入江
  • 頼仲
  • 遠藤
  • 井上
  • 林田
9月4日(金)
  • 担当者:林田 裕希
  • 論文:Wnt signaling arrests effector T cell differentiation and generates CD8+ memory stem cells.
    Nature Medicine 15: 808-813, 2009 (July)
  • 要約:造血幹細胞、記憶Bリンパ球や記憶Tリンパ球のような自己複製する細胞集団は、共通のシグナル伝達経路によって調節されている可能性がある。Wnt-b-カテニン経路は進化的に保存された経路で、幹細胞の増殖や分化の抑制によって、造血幹細胞に自己複製と多能性を維持させるが、この経路が記憶T細胞の生成と維持に担う役割は知られていない。著者らは、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3bの阻害物質あるいはWntタンパク質ファミリーに属するWnt3aによってWnt-b-カテニンシグナル伝達経路を誘導すると、CD8+T細胞のエフェクター細胞への分化が停止することを見いだした。Wntシグナル伝達は、T細胞の分化阻害によって、CD44lowCD62LhighSca-1highCD122highBcl-2highで自己複製し、多能性をもつCD8+記憶幹細胞の生成が促進された。この細胞の増殖能と抗腫瘍能は、セントラル記憶T細胞およびエフェクター記憶T細胞サブセットのそれを上回っていた。これらの知見は、Wntシグナル伝達経路が成熟記憶CD8+T細胞の「幹細胞性」の維持に重要な役割を担うことを明らかにしており、新しいワクチン戦略や養子免疫療法の設計に大きく貢献すると思われる。
  • 千住
  • 池田
  • 高松
  • 冨田
  • 羽賀
  • 林田実
8月28日(金)
  • 担当者:井上 光弘
  • 論文:CD4+ T Cells Regulate Pulmonary Metastasis of Mammary Carcinomas by Enhancing Protumor Properties of Macrophages.
    Cancer cell 16: 91-102, 2009(August)
  • 要約:癌が進展する間の癌周囲間質における免疫細胞は、癌の進行とともに増加する。これらの免疫細胞が、腫瘍進行に対して促進的に働いているのか、あるいは抗腫瘍免疫を発現しているのかは依然明らかでない。著者らは、乳癌の自然発症マウスを用いた実験で、腫瘍に浸潤したCD4 T細胞が産生するサイトカインによって、腫瘍関連マクロファージ (TAM) の表現型と機能が方向づけられることを示した。すなわち腫瘍浸潤性CD4+ヘルパーT細胞がTh2サイトカインを産生することにより、TAMのM2 phenotypeへの分化が促進されるため、癌の浸潤、肺転移が促進されることを示した。またCD4+ T細胞によるIL-4の産生がTAMにおけるEGF等腫瘍促進性因子の産生を促進し、これらのシグナルを介した乳癌細胞の転移に影響するということを実証した。これらの結果は、T細胞が癌の進行の様々な段階に影響を与えるが、その役割はヘルパーT細胞の分化後の形質に影響され、腫瘍発育に対する寄与についても相反する影響を与えることを示している。
  • 井上
  • 林田
  • 高松
  • 遠藤
8月21日(金)
  • 担当者:林田 実
  • 論文:Prostaglandin E2-EP4 signaling promotes immune inflammation through Th1 cell differentiation and Th17 cell expansion.
    Nature Medicine 15: 633-640,2009(June)
  • 要約: Th1とTh17は多発性硬化症、関節リウマチ、炎症性腸疾患、接触性皮膚炎などの様々な自己免疫疾患の動物モデルにおいて、組織傷害や炎症反応を誘導する。著者らは細胞や樹状細胞上のEP4に作用するPGE2のレセプターであるEP4がTh1への分化誘導を促進するばかりでなく、IL-23を介してTh17の増殖にも関与していることをin vitroで示した。また、in vivoでは、実験的自己免疫性脳脊髄炎あるいは接触過敏症を誘導したマウスにEP4選択的なアンタゴニストを投与すると、所属リンパ節内のTh1およびTh17が減少し、病気の進行が抑制された。したがってPGE2-EP4シグナル伝達系は、Th1分化とTh17の増殖を介して炎症を促進しており、EP4拮抗薬は様々な自己免疫疾患の治療に有用である可能性が示唆された。
  • 冨田
  • 林田実
  • 羽賀
  • 池田
  • 高松
8月7日(金)
  • 担当者:入江 厚
  • 論文:mTOR regulates memory CD8 T-cell differentiation.
    Nature 460: 108-112, 2009 (July)
  • 要約:メモリーT細胞は、防御免疫を担う重要な構成員の1つであって、効率良くメモリーT細胞を誘導することは、慢性的な感染症やがんに対するワクチン開発の最終目標の1つである。ワクチンの投与により、メモリー応答の強度を高める無数の努力がなされてきたが、メモリーT細胞の機能を改善する研究はこれまでほとんど行われてこなかった。本論文で著者らは、mTOR(mammalian target of rapamycin、FRAP1としても知られる)が、メモリーCD8陽性T細胞の分化に対する主要な制御因子であり、予想と異なり、免疫抑制剤であるラパマイシンはメモリーT細胞を増加させる効果を持つ、免疫活性化剤であることを明らかにした。急性リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスをマウスに感染させてラパマイシン処理をすると、ウイルス特異的なCD8T細胞が質、量ともに昂進した。非増殖性のウイルス様粒子を使ったワクチンをマウスに投与した後にも、同様の効果が認められた。さらに、修飾ワクシニアウイルスアンカラを接種した非ヒト霊長類に対しても、ラパマイシン投与はメモリーT細胞応答を増強した。ラパマイシン処理は、T細胞応答の増殖期と収縮期の両方に有効であった。増殖期に処理すると、メモリー前駆細胞の数が増加し、収縮期(エフェクター細胞から記憶細胞への移行期)に処理するとメモリーT細胞への分化が加速した。RNA干渉法により、抗原特異的CD8 T細胞のmTOR、raptor(4932417H02Rikとしても知られる)、もしくはFKBP12(FKBP1Aとしても知られる)の発現を抑制する実験から、mTORがmTORC1(mTOR複合体1)経路を介して作用してメモリーT細胞の分化を調節することが確かめられた。本研究により、メモリー細胞の形成を制御する分子経路が同定され、ワクチンや感染により誘導されるメモリーT細胞の機能を効果的に改善する手がかりが与えられるであろう。
  • 入江
  • 頼仲
  • 遠藤
  • 井上
  • 林田
7月24日(金)
  • 担当者:学会報告会(西村 教授)
  • 千住
  • 池田
  • 高松
  • 冨田
  • 羽賀
  • 林田実
7月17日(金)
  • 担当者:冨田 雄介
  • 論文:Adjuvant IL-7 antagonizes multiple cellular and molecular inhibitory networks to enhance immunotherapies.
    Nature Medicine 15: 528-536, 2009 (May)
  • 要約:免疫応答を増強する主要因子の同定は、腫瘍免疫をコントロールするために重要である。著者らは動物モデルを用い、ワクチンにより免疫応答を誘導した後、アジュバンドとして投与されたIL-7が抗腫瘍効果と生存率を改善することを示した。この免疫応答の改善は、IL-6産生の増加とTh17ヘルパーT細胞分化の増強と関連していた。さらに、IL-7は2種類のユビキチンリガーゼの発現を調節していた。すなわち、T細胞活性化の負の調節因子であるCb1-bの発現は抑制され、TGF-βに拮抗するSmurf2の発現は亢進していた。注目すべきことに、短期間のIL-7治療はワクチンを介した免疫応答を増強するが、ワクチンを接種しない場合は、T細胞の恒常的増殖を誘導するにもかかわらず、腫瘍免疫応答の促進効果は認めなかった。この細胞および分子レベルで阻害ネットワークに拮抗するアジュバンドとしてのIL-7の作用は、腫瘍治療における免疫療法に極めて重要であると考えられる。
  • 井上
  • 林田
  • 冨田
  • 遠藤
7月3日(金)
  • 担当者:留学報告会(粟井 博丈 先生)
  • 冨田
  • 林田実
  • 羽賀
  • 池田
  • 高松