日程

Journal Club

Progress report

(8:30〜9:30)

(9:30〜12:30)

2007年(平成19年)

Group-1

Group-2

3月30日(金)
  • 担当者:福島 聡
  • 論文:SMAD4-deficient intestinal tumors recruit CCR1+myeloid cells that promote invasion
    Takanori Kitamura et al
    Nature Genetics. 2007(Mar 18) [Epub ahead of print]
  • 要約:cis-Apc/Smad4マウスでは癌抑制遺伝子Apcの変異に加え、TGF-βシグナル経路に関与するSmad4が不活化しており浸潤性の大腸癌が自然発生する。このマウスにおいて「未分化骨髄球」が 骨髄から癌浸潤の最前線にリクルートすることを見出した。このCD34+細胞は MMP9やMMP2、CCR1を発現しており、大腸癌上皮にはCCR1のリガンドであるCCL9の 発現が増強している。このマウスでCCR1をノックアウトすると未分化骨髄球の集積がなくなり癌の浸潤が抑制された。
  • 頼仲
  • 横峯
  • 原尾
  • 福間
  • 春田

3月23日(金)
  • 担当者:原尾 美智子
  • 論文:IFN-γ mediates CD4+ T-cell loss and impairs secondary antitumor responses after successful initial immunotherapy.
    Vanessa Berner et al.
    Nature Medicine 13: 354 - 360, 2007 (March)
  • 要約:抗腫瘍免疫応答の誘導にはIFNγを含むTH1サイトカインが不可欠と考えられている。著者らは、抗CD40抗体とIL-2を用いた免疫療法が有効であることを、すでに報告している。この系ではCD4+T細胞はCD8+T細胞とは対照的に増殖せず、IFNγ依存的にアポトーシスが誘導された。放射線照射した腫瘍細胞を免疫するとともに、上記の免疫療法を行い効果を認めたマウスでは、免疫療法を行わなかったマウスと比較して、効果的なsecondary responseが観察されなかった。いっぽう、担癌状態のIFN-γ-/-マウスに上記の免疫療法を施行するとsecondary responseを認めた。以上より、IFNγの産生を誘導する強力な免疫療法は早期の抗腫瘍効果を誘導できるが、その後の抗腫瘍免疫応答の継続については障害となることが示された。
  • 入江
  • 平田
  • 松永
  • 生田
  • 福島
  • 今井

3月16日(金)

全体 Meeting
  • 担当者:横峰 和典
  • 論文:Hematopoietic stem cells promote the expansion and function of adoptively transferred anti-tumor CD8+ T cells.
    Wrzesinski C. et al.
    J. Clin. Invest. 117: 492-501, 2007 (Feb.)
  • 要約:腫瘍特異的CTLを用いた養子免疫療法に際して、宿主の骨髄機能が破壊されない程度に免疫抑制状態を誘導することにより、抗腫瘍効果を増強できることが知られている。本研究は、宿主にHSC (hematopoietic stem cell) の移植が必要なほどの放射線を照射して免疫抑制状態にすることにより、さらに抗腫瘍免疫効果を増強できることを明らかにした。移入された腫瘍特異的CTLの増加は、強い免疫抑制により誘導されたものではなく、移植されたHSCにより誘導されていた。HSCによって増加した細胞はナイーブCTLではなく、エフェクターCTLであり、従来の方法と異なりin vivoでの免疫を必要としなかった。従来の非骨髄破壊的免疫抑制状態でHSCを移入してもin vivoでの抗腫瘍効果は増強されなかったことから、骨髄破壊を強くすることにより、移植されたHSCが腫瘍特異的T細胞の抗腫瘍効果を増強すると考えられた。これらの事実は、新たな抗腫瘍免疫療法を考えるうえで、重要な示唆を与えるものである。
  • 千住
  • 福間
  • 春田
  • 横峰
  • 原尾

3月9日(金)
  • 担当者:松永 雄亮
  • 論文:An essential role for Akt1 in dendritic cell function and tumor immunotherapy.
    Park D. et al.
    Nat Biotechnol. 24(12): 1581-1590, 2006 (Dec.)
  • 要約:現在、ワクチンに用いられる樹状細胞(DC)はexo vivo で分化・成熟させている。このようにして調製されたDCは寿命が短く一過性にしか活性化されないため、in vivoにおけるT細胞応答が制限される。本論文では、PI3キナーゼ-Akt1経路がDCの寿命の重要な調節因子であり、Akt1がDCの成熟・生存に必要なことが示された。Akt1シグナルを効率的に伝達するには膜コレステロールの重要性がこれまでに報告されている。そこで著者らはDCにおけるAkt1の作用を増強するために、脂質ラフト指向性Akt1(MF-ΔAkt)を作成しDCに遺伝子導入した。MF-ΔAktを遺伝子導入したDCではDCの成熟促進と生存延長がin vitro、in vivoにおいて認められた。さらにin vitroではDC共培養下でのT細胞の増殖・活性化の促進が認められ、in vivoでは担癌マウスにおけるリンパ腫と高悪性度B16黒色腫の拒絶およびメモリー応答の増強が認められた。MF-ΔhAktを発現させたヒトミエロイドDCにおいても生存延長が認められ、抗原特異的T細胞応答が促進された。以上より、Akt1はDCの寿命を調整する重要な因子であり、Akt1を操作することでDCワクチンの臨床効果を改善できることが示された。
  • 生田
  • 福島
  • 今井
  • 松永

3月2日(金)
  • 担当者:頼仲 玉珍
  • 論文:Random migration precedes stable target cell interaction of tumor-infiltrating T cells.
    Mrass, P. et al.
    J. Exp. Med. 203: 2749-2761, 2006 (Nov.)
  • 要約:腫瘍に浸潤するT細胞(TIL)による癌細胞の破壊に関して、T細胞と癌細胞の相互接触の解析が重要であることは認識されているが、ほとんど未知である。本論文はTwo photon 顕微鏡を用いて、TILによるin vivoにおける癌細胞破壊の過程において、TILの運動を時空間的に解析したものである。その結果、TILは癌組織内を全般的にかつランダムに遊走しているが、癌抗原の認識がない条件では、この活発な遊走は継続されなかった。いっぽう、腫瘍拒絶が進行している条件では、TILは癌抗原の存在に依存して癌細胞と30分以上の長時間にわたって接触していた。さらに、TILはマクロファージとも接触を持ち、これは癌抗原のCross presentationと関連していることを想像させた。以上の観察は、TILによる癌細胞の拒絶には、癌組織局所におけるTILと癌細胞との接触による癌抗原の認識が重要であることを示し、従来から提唱されているケモカインの濃度勾配に従って、TILが癌組織内に侵入して癌拒絶を開始する、と言う仮説には背反するものであった。
  • 頼仲
  • 横峯
  • 原尾
  • 福間
  • 春田

2月16日(金)

全体 Meeting
  • 担当者:入江 厚
  • 論文:Identification of a T Lineage-Committed Progenitor in Adult Blood.
    Krueger A. and von Boehmer H.
    Immunity, 26: 105-116, 2007(Jan.)
  • 要約:プレT細胞受容体α鎖の発現調節因子に制御されるヒトCD25分子(hCD25)の発現システムを利用することにより、末梢血中にT前駆細胞を同定することができた。c-kitloThy-1hiであるSca-1+IL-7Rα+Flt3-細胞は、OP9-DL1ストローマ細胞上で培養するか、Rag2-/-IL2rg-/-マウスに移入することにより、T細胞系の細胞を生じさせた。B細胞はin vivoでは全く生じず、in vitroでほんのわずかに生じた。著者らがCTP(circulating T cell progenitors)と名付けた細胞は、Foxn1nu/nu胸腺欠損マウスでも野生型マウスでも同頻度で見出されたことから、胸腺から出てきた細胞ではなく、胸腺に入る前の細胞であることが示された。in vivoで、Notch依存性の転写を抑制すると、初期T前駆細胞(ETP; early T cell progenitors)の頻度は減少したが、CTPの頻度は減少しなかったことから、CTPのNotch依存性は高くないことが示された。以上より、CTPはT細胞系に分化することが決定されたT前駆細胞であり、成マウスにおいて、胸腺内だけでなく胸腺外でのT細胞成熟過程に一考を与えるものである。
  • 入江
  • 平田
  • 松永
  • 生田
  • 福島
  • 今井

2月9日(金)
  • 担当者:平田 真哉
  • 論文:Peripheral antigen display by lymph node stroma promotes T cell tolerance to intestinal self.
    Je-Wook Lee et. al.
    Nature Immunology, 8(2): 181-190, 2007(Feb.)
  • 要約:T細胞レセプターは、生涯にわたって出会う様々な病原体から個体を守るために、多様な特異性を有している。いっぽうで、この多様性を獲得は、自己抗原に反応するT細胞も発生させることにもつながる。しかし、実際には、正常な状態において、これらの自己反応性T細胞は、胸腺で起きる中枢性トレランスあるいは末梢のリンパ組織で起きる末梢性トレランスにより、除去されたり、anergyになったりしているために、自己の組織を攻撃することはない。すなわち、自己抗原に対するトレランスの誘導は、自己免疫疾患から自己を守るために重要な機構といえる。これまでの研究から、この末梢性トレランス機構において中心的な役割を担っているのは、樹状細胞であると考えられてきた。今回の論文では、腸管における末梢性トレランスの獲得において、プロフェッショナル抗原提示細胞ではなく、リンパ節の支持細胞(ストローマ細胞)が不可欠であることを明らかにした。このことは、末梢性トレランスの誘導・強化による自己免疫疾患の治療戦略や、腫瘍免疫におけるトレランスの問題を考える上で、重要な新しい知見であると考えられる。
    今回のジャーナルクラブでは、末梢性トレランスについて、最近の知見も含めて概説する予定である。

     

  • 千住
  • 福間
  • 春田
  • 横峯
  • 原尾

1月26日(金)
  • 担当者:今井 克憲
  • 論文:Epidermal RANKL controls regulatory T-cell numbers via activation of dendritic cells.
    Karin Loser et. al.
    Nature Medicine, 12: 1372-1379, 2006(Dec.)
  • 要約:正常個体中には、トレランスの維持に関与する制御性T細胞(CD4+25+ regulatory T cell:Treg)が存在し、自己免疫の抑制に重要な役割を果たしていることが知られている。このような自然状態で存在するTregの異常がヒトの自己免疫疾患、炎症性腸疾患、アレルギーの直接的な原因となるが、末梢でのTregの調整、維持に関しては、未だ不明な点が多い。本論文は、receptor activator of NF-kB(RANK)とそのリガンドであるRANKLが、末梢におけるTregの制御と維持に関与することを示したものである。RANKLは炎症を起こした皮膚のkeratinocyteに発現するが、これがRANKを発現している表皮の樹状細胞(DC)の活性化を介してTregの増殖を誘導し、自己免疫病を抑制することがin vitro及びin vivoの実験により示された。また、RANK-RANKL signalingを抑制するRANK-Fcの投与や、表皮の樹状細胞を除くことによってTregが減少し、自己免疫病が誘導されることが示された。古くから知られている紫外線の免疫抑制効果も、この表皮におけるRANK-RANKL signalingを介していることが示された。皮膚におけるRANK-RANKLの発現を誘導することにより、アレルギー疾患や自己免疫疾患の治療が可能になるかもしれない。
  • 生田
  • 福島
  • 今井
  • 松永

1月12日(金)

全体 Meeting
  • 担当者:生田 義明
  • 論文:T cell receptor-interacting molecule acts as a chaperone to modulate surface expression of the CTLA-4 coreceptor.
    Elke Valk et. al.
    Immunity. 25: 807-821, 2006(Nov.)
  • 要約:活性化T細胞に発現するCTLA-4は、CD80/86に競合してT細胞応答を抑制する。ナイーブT細胞では、CTLA-4は大部分が細胞内に局在しているが、そのT細胞活性化にともなう細胞表面への輸送のメカニズムについては、未だ明らかにされていない。著者らは、trans Golgi network(TGN)において、TRIM(T cell receptor-interacting molecule)という膜蛋白がCTLA-4と結合し、CTLA-4のT細胞表面への輸送を促進することを明らかにした。TRIMの発現が増加すると、CTLA-4の細胞表面への輸送は速やかになり、発現も増加した。また、shRNAsを用いてTRIMの発現を抑制すると、CTLA-4はTGNに蓄積されたままとなり、細胞表面CTLA-4の発現は低下した。さらに、TRIMによるCTLA-4の発現誘導により、IL-2の産生や細胞増殖も抑制された。これらの結果より、TRIMが、CTLA-4の発現を制御するシャペロンとして機能し、CTLA-4のT細胞表面への輸送を促進させることが明らかになった。
  • 頼仲
  • 横峯
  • 原尾
  • 福間
  • 春田

1月5日(金)
  • 担当者:福間 大喜
  • 論文:Dendritic cells regulate exposure of MHC class II at their plasma membrane by oligoubiquitination.
    Guillaume van Niel et. al.
    Immunity. 25(6): 885-94, 2006(Dec.)
  • 要約:未成熟DCにおいて、MHCクラスII分子は、大部分が細胞内後期エンドソームで分解され、その寿命は短い。一方、成熟DCでは、MHCクラスII分子は形質膜に発現する。著者らは未成熟DCでは、1) インバリアント鎖がエンドソームにおいて分解された後に、MHCクラスIIβ鎖がユビキチン化され、2) このユビキチン化により、MHCクラスII分子のエンドサイトーシスとmultivesicular bodyへの輸送が促進されることを示した。MHCクラスII分子のユビキチン化は、LPSで活性化されたDCでは抑制されており、さらにユビキチン化部位を欠損するMHCクラスII分子の変異体は、DCの成熟度に関わらず形質膜に発現した。以上の結果より、未成熟DCにおけるMHCクラスII分子の発現が低い原因の一つが示された。
  • 入江
  • 平田
  • 松永
  • 生田
  • 福島
  • 今井