日程

Journal Club

Progress report

(8:30〜9:30)

(9:30〜12:30)

2006年(平成18年)

Group-1

Group-2

6月30日(金)

全体 Meeting
  • 担当者:今井 克憲
  • 論文:Genetically induced pancreatic adenocarcinoma is highly immunogenic and causes spontaneous tumor-specific immune responses
    Annette I. Garbe et al.
    Cancer Res. 66: 508-516, 2006 (Jan 1)
  • 要約:120日以内にすべてが膵癌を自然発症するマウスモデル(B6 EL-TGF-α × Trp53-/-)が確立され、このマウスでは腫瘍特異的な免疫応答が確認された。この膵癌組織から樹立した癌細胞株を、RAG-/-マウスやnu/nuマウスに皮下移植すると生着したが、B6 EL-TGF-α × Trp53-/-マウスに皮下移植すると拒絶された。自然発症膵癌と皮下移植腫瘍を比較検討したところ、皮下移植した腫瘍ではCTLが腫瘍周囲に多く浸潤し、サイトカイン産生も増強していた。また、養子免疫されたCTLも、皮下移植腫瘍において有意に多く腫瘍周囲に浸潤していた。従来腫瘍免疫の研究は移植腫瘍モデルで行われてきたが、腫瘍の発育に重要な腫瘍間質における免疫応答は、腫瘍を皮下移植した場合と自然発症した腫瘍とでは、大きく異なることが示された。
  • 頼仲
  • 横峰
  • 原尾
  • 福間
  • 春田

6月23日(金)
  • 担当者:平田 真哉
  • 論文:Anti-IL-23 therapy inhibits multiple inflammatory pathways and ameliorates autoimmune encephalomyelitis
    Yi Chen et al.
    J. Clin. Invest. 116: 1317-1326, 2006 (May)
  • 要約:IL-23はIL-12サイトカインファミリーの一つで、自己免疫疾患の誘導に関わる病原性T細胞をドライブすることが知られている。この研究グループは、これまでに自己免疫疾患の病原T細胞がIL-23依存性にIL-17やIL-6、TNFを産生することを報告してきた(粟井先生5/19/2006のTH17のJCを参考)。今回の論文では、自己免疫疾患においてIL-23経路を標的とした治療法の開発を検討した。自己免疫疾患のマウスモデルとして、多発性硬化症のモデルとして知られる実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の系が用いられた。先ず、抗IL-23阻害抗体をマウス個体へ投与して、EAEの発症を誘導したところ、この抗体を投与することによりEAEの発症が予防された。さらに、EAE発症後に投与した場合は、epitope spreadingを抑え、また再発の時期の病勢を抑制することができた。これらの知見は、IL-23を標的とした自己免疫疾患の治療法の開発がこれまでと異なったアプローチとして効果的であることを示しており、新たな治療戦略の一つとなる可能性を示すものである。今回のJCではJCIに同時に発表された「IL-10-KOマウスの腸炎発症に、IL-23が必須で、IL-23がIL-17やIL-6の産生を促進している」という論文(JCI, 116(5), 1310-, 2006)と合わせて、自己免疫疾患とIL-23とIL-17(TH17)を解説する予定。

     

  • 入江
  • 粟井
  • 松永
  • 生田
  • 福島
  • 今井

6月16日(金)
  • 担当者:生田 義明
  • 論文:B7-H4 expression identifies a novel suppressive macrophage population in human ovarian carcinoma.
    Kryczek I. et al
    J Exp Med. 203(4): 871-881, 2006 (Apr 17)
  • 要約:本論文は、ヒトの卵巣癌細胞に発現する免疫抑制分子B7-H4(B7ファミリー) ではなく、腫瘍周囲の間質に存在するマクロファージにIL-6/IL-10依存性に発現するB7-H4により、腫瘍免疫の抑制が誘導されることを示したものである。この腫瘍間質マクロファージにおけるB7-H4の発現を阻害することにより、免疫抑制が解除され、NOD-SCIDマウスに養子免疫されたヒトCTLの腫瘍免疫が増強した。この発見は、卵巣癌の新しい治療戦略の開発に寄与するものと考えられる。 
  • 千住
  • 平田
  • 福間
  • 春田
  • 横峯
  • 原尾

6月9日(金)

全体 Meeting
  • 担当者:福間 大喜
  • 論文:Radiation modulates the peptide repertoire, enhances MHC class I expression, and induces successful antitumor immunotherapy.
    J Exp Med. 203(5): 1259-1271, 2006 (May 15)
  • 要約:本論文は、放射線照射により、癌細胞におけるMHC クラス�泄ェ子による抗原提示が促進し、抗腫瘍免疫が増強する機序について解明したものである。癌細胞表面のMHC クラスI 分子の発現は、放射線照射の線量と日数に依存して、以下の3つの要因により増強したと考えられた。1)放射線照射によるタンパク質分解の亢進と、細胞内ペプチドプールの増加、2)mTORの活性化による翻訳、ペプチド産生、抗原提示、CTLによる放射線照射細胞認識の亢進、3)γ線照射により誘導されたタンパク質に由来する、新たなMHC クラスI 拘束性CTLエピトープの産生。さらに、腫瘍組織への放射線照射と免疫療法の併用により、マウスの大腸腺癌の根絶が誘導された。以上の結果より、放射線療法が腫瘍免疫の効果を増強することが示された。
  • 生田
  • 福島
  • 今井
  • 松永

6月2日(金)
  • 担当者:福島 聡
  • 論文:Toll-dependent selection of microbial antigens for presentation by dendritic cells.
    Nature 440: 808-812, 2006 (April 6)
  • 要約:TLRに微生物由来の物質等が結合するとDCの成熟がおこり、costimulatory signalsの増加等により、T細胞への抗原提示能力が増強する。一方、自己抗原を取り込んだDCでは、このようなことが起こらないために、むしろ自己抗原に対するトレランスが誘導されると考えられている。本論文はDCにおいて、phagosome中に微生物由来のTLRリガンドが存在する場合に、ペプチド/MHC class II複合体の形成が促進されることを発見したものである。つまり、微生物と遭遇したDCは、TLRシグナルを介して成熟するとともに、MHC class II経路による抗原提示の能力を増すことになる。
  • 頼仲
  • 横峰
  • 原尾
  • 福間
  • 春田

5月26日(金)
  • 担当者:千住 覚
  • 論文:Acquisition of full effector function in vitro paradoxically impairs the in vivo antitumor efficacy of adoptively transferred CD8+ T cells.
    J Clin Invest. 115(6): 1616-26, 2005 (Jun)
  • 要約:抗腫瘍免疫療法において、腫瘍抗原特異的なT細胞を投与するACT(adoptive cell transfer therapy)が最も有効であると考えられる。以前、このグループは、多発性の転移巣を伴うメラノーマ患者に対して、lympho-depletion+ACTを行うことにより、高い有効率が得られたことを報告している(Science 298 850)。今回の論文では、 マウスの実験で、CTLの in vitroでの培養期間が長いと、そのeffecter functionは増強するものの、in vivoに投与した場合の抗腫瘍効果が低下することが示されている。しかしながら、腫瘍抗原特異的なCTLは、本来、個体のT細胞レパトア中での頻度が非常に低い。従って、これをACTを行うのに必要な数になるように in vitroで増殖させるには、長期間の培養が必要である。有効なACTの確立には、このジレンマを解決する方法の開発が不可欠であろう。
  • 入江
  • 粟井
  • 松永
  • 生田
  • 福島
  • 今井

5月19日(金)
  • 担当者:粟井(塚本)博丈
  • 論文:
    1)TGF beta in the context of an inflammatory cytokine milieu supports De Novo differentiation of IL-17-producing T Cells.
    Marc Veldhoen et. al.
    Immunity 24: 179-189, 2006 (Feb)
    2)Reciprocal developmental pathways for the generation of pathogenic effector TH17 and regulatory T cells.
    Nature 44: 235-238, 2006 (May11)
  • 要約:細胞は活性化の際に、異なる分化経路をとって特殊な性質およびエフェクター機能を獲得する。ヘルパーT(TH)細胞は従来、TH1細胞とTH2細胞というサブセットに分化すると考えられてきた。しかし、最近、TH1細胞ともTH2細胞とも異なるIL-17産生T(TH17)細胞というサブセットがあることがわかり、自己免疫による組織傷害の誘 導で重大な役割を果たすことが示された。さらに、TH17細胞は、従来のTH1およびTH2細胞とは異なる特徴をその分化や機能において示すことが最近明らかになってきている。これとは逆に、CD4+CD25+Foxp3+調節性T(Treg)細胞は自己免疫を抑制し、組織傷害を防ぐ。トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)は、Treg細胞の産生において重要な分化因子である。本論文では、炎症時に誘発される急性期タンパク質IL-6が、TGF-βが誘発するFoxp3+ Treg細胞の産生を阻害し、結果的に、IL-6とTGF-βが協働して、ナイーブT細胞からの病原性TH17細胞の分化を誘発する。今回の結果は、自己免疫を誘発する病原性(TH17)T細胞と自己免疫による組織傷害を妨げる調節性(Foxp3+)T細胞の産生は2つの経路に分かれて起こることを示している。今回は、新しいT細胞サブセットであるTH17細胞の重要性や分化機構を中心に話したい。

5月12日(金)
  • 担当者:原尾 美智子
  • 論文:Interleukin-15 rescues tolerant CD8+ T cells for use in adoptiveimmunotherapy of established tumors.
    Ryan M Teague et al.
    Nature Medicine 12: 335 - 341, 2006 (March)

平成18年
4月28日(金)
  • 担当者:Yu-Zhen Chen
  • 論文:Restoring function in exhausted CD8 T cells during chronic viral infection.
    Daniel L. Barber et al.
    Nature 439: 682-687, 2006 (Feb. 9)
  • 要約:慢性ウイルス感染症において出現する、CTL機能を失ったexhausted CTLはPD-1を高発現し、PD-1を抗体でブロックするCTLの機能が回復してウイルス感染細胞を排除できるようになる。抗CTL-4抗体は効果なし。腫瘍免疫でも同じ現象があるのか?CTLの誘導が悪い原因として、CTLにおけるPD-1の高発現が考えられないか?